フィギュリン買取のポイント

フィギュリンとは陶磁器で作られた人形や彫刻、立体造形のことです。フィギュリンの歴史は西洋磁器の歴史と同じく1,710年と、300年以上も前から愛されてきた品です。フィギュリンは日本語でそのまま人形と訳されることもありますが、フィギュアとは異なり玩具的な意味合いよりも芸術的な技法で作られた芸術品、骨董品として考えられています。ここではフィギュリンの種類やその買取相場、買取査定のポイントを詳しく紹介してきます。

目次

フィギュリンの種類

フィギュリンは主に洋食器メーカーが手掛けており、それぞれ特徴的なフィギュリンに仕上がっています。ここでは有名ブランドごとのフィギュリンを紹介してきます。

リヤドロ(Lladro)

スペインで誕生した高級陶器人形のブランドが、リヤドロです。フィギュリンは手作業で作られることが主ですが、リヤドロのフィギュリンもすべて熟練の職人の手で作られたものです。リヤドロのフィギュリンは「人生の美しい瞬間を描く」というコンセプトの元、繊細で表情豊かであることが特徴的です。

その作品は動植物や天使、女性に子供、神話に宗教的なものと非常に幅広い題材をモチーフに作られています。その中でも特に花をモチーフに作られたものは世界的に人気が高く、リヤドロのフィギュリンの代名詞とも言われています。

マイセン(Meissen)

マイセンは世界的に有名な高級食器メーカーです。その歴史は古く今から300年以上も前に遡ります。マイセンの食器は白く硬く美しいことで人気を博していますが、同様にマイセンのフィギュリンもその磁器の造形美が特徴的だと言われています。

マイセンには2人の有名な造形師がおり、初期作品を作りあげたケンドラーと、2人目のアシエです。ケンドラーが師としてアシエにフィギュリンの技術を伝え、まるで生きているかのような造形美を見ることができます。

ロイヤルコペンハーゲン(RoyalCopenhagen)

ロイヤルコペンハーゲンのフィギュリンの歴史は1898年から始まります。高度な技術により、磁器同士のつなぎ目が分からないほどです。造形、色合い共に柔らかく暖かみのあることが最大の特徴です。

動物や天使、女性や子供をモチーフにした作品が多いです。近年では特に動物をモチーフにした作品に注目が集まり、その中でもイヤーフィギュリンと言う年に1度作られる動物をモチーフにしたフィギュリンは非常に人気が高いです。

ゲーベル(Goebel)

ドイツの老舗磁器メーカーであるゲーベルは1935年にフィギュリンの制作を開始しています。この時に作られたフンメルドールはゲーベルのフィギュリンの代名詞とも言えます。

ゲーベルのフィギュリンの特徴は繊細で芸術的な造形のみならず、そこに描かれているユニークな表情です。他のフィギュリンの上品で芸術的な雰囲気にはない愛らしい美しさが現在でも世界中のコレクターから注目を集めています。

フィギュリンの買取価格相場

フィギュリンの買取価格相場はブランドにより異なると言えるでしょう。そのためフィギュリンのブランドごとに、その買取価格相場を詳しく紹介してきます。

リヤドロ(Lladro)のフィギュリンの買取価格相場

リヤドロは現在も数多くのフィギュリンを作り上げています。その多くは100,000円前後で販売されています。数多くのフィギュリンが販売されているため、インターネットオークションの落札平均価格は比較的新しい作品も多く40,000円前後であることが多いようです。リヤドロはさまざまなモチーフによりフィギュリンが作られているため、モチーフによっても買取価格は大きく変わると言われています。生産数が限定され制作されたフィギュリンでは、それ以上の値がつくことも考えられます。リヤドロは生産数を限定し制作しているフィギュリンの数も多いのですので、高値での取引が期待できると言えるでしょう。

マイセン(Meissen)のフィギュリン買取価格相場

マイセンのフィギュリンの買取価格相場はおよそ5,000円~120,000円程度とその作品により価格差が大きいのが特徴です。海外でもおよそ日本と同程度の価格で取引されていることが多いです。マイセンでは特にアンティークとしての価値が高いものの買取価格が高まる傾向にあります。

ロイヤルコペンハーゲン(RoyalCopenhagen)のフィギュリンの買取価格相場

ロイヤルコペンハーゲンのフィギュリンはインターネットオークションにて5,000円程度で売買されることも多いです。数が多いため1体1体の価格は低いものの、アンティークとしての価値が高いと考えられるゴールデンイーグルという作品は120,000円前後で取引されています。そのためロイヤルコペンハーゲンのフィギュリンの相場価格は非常に難しいものの、数千円のものから数十万円になるものも存在すると言えるでしょう。

ゲーベル(Goebel)の買取価格相場

ゲーベルのフィギュリンは2008年にその長い歴史に幕を下ろしています。その後Hummel&Manufaktur GmbHがゲーベルのフィギュリンの製造権を取得し制作を続けてはいるものの、その市場価値は高まっています。以前は数千円から数万円で取引されていたゲーベルのフィギュリンですが、現在はその価値が高まりつつあり、アンティークとして価値あるものは十数万円で取引されることも増えています。

フィギュリンの買取査定ポイント

フィギュリンの買取査定のポイントは大きく3つに分けることができます。

フィギュリンは元々高級食器メーカーが制作していることもあり、高値での取引が期待できるものです。その中でも買取査定のポイントになるのが、フィギュリンの種類です。どこで作られたフィギュリンであるかどうかは買取査定時に重要視されるポイントです。ここで紹介してきたブランドのフィギュリンであれば、世界中にコレクターがいる有名ブランドとなります。フィギュリンの裏にはブランド名が記載されていることも多いですし、購入時の箱や保証書等、そのフィギュリンがどのようなフィギュリンであるかどうか分かる付属品がある場合には、必ず付属品と共に査定を依頼するようにしましょう。

続いて買取査定時のポイントになるのが保存状態です。フィギュリンでは特にその保存状態が重視されます。欠けや割れがないことはもちろん、傷やスレがあると査定額が大きく低下してしまうことがあります。保存状態をチェックし、売却することを決めている場合にはそれ以上保存状態が悪化してしまわないよう保管に注意しましょう。

そして最後の買取査定ポイントと言えば、査定する場所を選ぶということです。フィギュリンは美術品、骨董品として価値のある品ですので、それらの取り扱いのないリサイクルショップ等で査定を依頼しても古いというだけで正確な価値を分かってもらうことができない可能性が高いです。そのため必ず美術品や骨董品を取り扱う業者に査定を依頼してください。

まとめ

ここまでフィギュリンを売却する際に必要な情報をまとめてきました。ここで紹介したもの以外にも、ラリック、アウガルテン、ダンスク等フィギュリンにはさまざまな種類があります。フィギュリンはその品物により買取価格が大きく異なるものになります。少しでも高く売却したい場合には、自分自身でもその価値を調べて適切に保管しましょう。そしてフィギュリンを買取査定してもらう業者をしっかりと選ぶことが大切です。